環境マネジメント

環境マネジメントシステムを構築・運用して、積極的な環境保全活動を進めています。

三菱製鋼グループ環境方針

基本理念

私たちは地球環境の保全が人類共通の最重要課題のひとつであることを認識し、事業活動のあらゆる面で環境の保全に積極的に取り組みます。

行動指針
  1. 1.ものづくりを通して持続可能な社会に貢献する組織として、製品の開発・設計の段階から製造工程を含むあらゆる事業活動で環境に配慮します。
  2. 2.環境方針に基づいて、環境目的・環境目標を設定し、定期的に見直します。
  3. 3.事業活動のすべての領域で、汚染の予防や、持続可能な資源の利用、及び気候変動の緩和等、環境保護の活動に取り組みます。
  4. 4.環境に関する法律や規制及び当社が同意するその他の要求事項を守ります。
  5. 5.環境活動において、そのパフォーマンスを改善するため、PDCAサイクルを回すことにより、環境マネジメントシステムの継続的改善に努めます。
  6. 6.環境教育、グループ内広報活動を通じて、グループ内で働くすべての人に環境方針を周知し、ステークホルダーにも開示します。

 

環境マネジメント組織

 全社的組織を構築し、地球環境委員会を中心として、環境保全活動に取り組んでいます。

※ 地球環境委員会は、2021年から新設した「サステナビリティ委員会」の下部組織となり、主に環境ISO対応などを所管。あわせて、脱炭素の推進を行う「カーボンニュートラル委員会」やサステナビリティ委員会の事務局である「ESG分科会」も新設され、気候変動関連を含むサステナビリティに関する重要課題について、全社横断的に対応できるマネジメント体制といたしました。

カーボンニュートラルに向けた取り組み

カーボンニュートラル推進体制

2021年8月に全社横断的な「カーボンニュートラル委員会」を創設し、2050年度のカーボンニュートラル実現に向けての検討を始めました。
2021年11月には、当社のサステナビリティ推進に向けて「サステナビリティ委員会」を新設し、「カーボンニュートラル委員会」はその下部組織の一つとして対応する体制といたしました。
カーボンニュートラル委員会の推進リーダーは、20~30代の若手を起用し、長期の展望を描けるようにしました。
海外の取り組みとして、2022年8月より、CO2排出量の多いインドネシア事業も委員会組織に入れて活動を始めました。
他の海外拠点におきましても、順次取り組みを進めます。

 

CO2削減目標


カーボンニュートラルに向けた削減目標

 

CO2削減に向けた取組施策(カーボンニュートラル達成ロードマップ)


2050年度に向けたカーボンニュートラル達成ロードマップ


カーボンニュートラルへの取り組み~チャレンジ・ゼロ~

当社は2021年11月、脱炭素社会の実現に向けたイニシアティブ「チャレンジ・ゼロ」に参加しました。
当社の「チャレンジ・ゼロ」における具体的な取り組み(イノベーション事例)の詳細は、「チャレンジ・ゼロ」公式ウェブサイトに掲載しております。
・イノベーション事例①「熱電材料による未利用熱の有効活用」
 https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/807

・イノベーション事例②「鋼材切断用ガスの水素代替活用によるCO₂削減」
 https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/808


「チャレンジ・ゼロ」とは?
一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)が日本政府と連携し、脱炭素社会の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを、国内外に発信し後押ししていく新たなイニシアティブです。

当社製品を通じた環境負荷低減に向けた取り組み事例

加速するEV(電気自動車)化やCASEの動きに対応した、ばねのさらなる軽量化やEV向け製品の研究開発等に加え、再生可能エネルギー関連(洋上風力発電関連機器)やサーキュラーエコノミー(資源循環型社会)への取り組みを通じて、社会のカーボンニュートラルへの動きを推進しています。

再生可能エネルギー関連(洋上風力発電関連機器)

三菱製鋼グループの三菱長崎機工㈱は、洋上風力発電への取り組みとして、洋上風車の関連製品や、建設に必要な機器装置類の製造を行っています。
洋上風車関連製品の生産能力向上を目的とした工場設備の増強等にも力を入れてまいります。

 

(参考)洋上風力発電設備向け部品用鋼材のサプライヤーとして「TPG認証」を取得

サーキュラーエコノミー(資源循環型社会)に向けた取り組み

三菱製鋼グループの三菱長崎機工㈱は循環型社会の実現へ向けて各種選別機の製造を行っています。
廃家電や廃モータなどの雑品屑から各資源を高精度に分別し、リサイクル可能な資源を回収する各種磁力選別機や色彩光学選別機を組み合わせた選別ラインを開発しました。
今後普及が見込まれるEVに搭載されるモータには、銅の使用が不可欠であり、都市鉱山から銅を高精度に効率よく回収できる本システムは、将来的な銅不足という課題の解決に大きく寄与します。

 

(参考)第48回優秀環境装置表彰 日本産業機械工業会会長賞受賞

非調質鋼、鍛造後直接焼入れ用鋼

自動車・建設機械では多くの鍛造部品が使用されています。通常鍛造部品は、熱間鍛造(約1,200℃まで加熱)後、常温まで冷却されたのち、再度800℃以上の温度まで加熱され、焼入れ・焼戻しの熱処理を行います。
エネルギー削減及び工程簡略の観点から、当社では、以下の材料でお客様のCO2排出量削減に貢献してまいります。

 

自動車用ばねの軽量化

コイルばね

当社は素材から製品までの一貫メーカーとして、材料開発、工法開発の両面から自動車用ばねの軽量化に取り組み、自動車のCO2排出量削減に貢献しています。
材料、工法それぞれにおいて開発が進められ、「当社開発鋼②+基本工法」、及び「規格鋼+工法改良②」まで実用化段階にあります。これらは、「規格鋼+基本工法」から製品で約20%の軽量化を達成しています。
現在は、材料開発と工法改良を組み合わせる開発を進めており、引き続き自動車用ばねの軽量化により、環境負荷低減に貢献してまいります。

 

スタビライザ

中空スタビライザに当社独自の内面加工技術を適用することにより、耐久性が向上し、薄肉化が可能となります。
スタビライザ製品で20%以上の軽量化を実現しました。遅くとも2025年度からの量産開始を予定しています。

 

高機能粉末

金属軟磁性粉末は、スマートフォンや自動車等の通信・制御機器に搭載される電子部品に使用されています。
自動車の電動化、自動運転化により、電気制御部品に使用されるインダクター用の軟磁性粉末等、今後需要は拡大していくものと思われます。
機器の小型化、高周波化に対応するエネルギー損失の少ない車載用高機能軟磁性粉末の開発に取り組んでおります。

当社工場における環境負荷低減の取り組み

自動マーキング装置の更新による特定化学物質の使用量削減

三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱の精整工場では、鋼材の最終製品検査を自動探傷設備で実施しており、製品の識別を行う自動マーキング塗料に特定化学物質(テトラクロロエチレン及びジクロロメタン)を使用していました。
この度、マーキング装置を更新し、アルコールタイプの塗料に変更しました。
これにより、約500kg/年使用していたテトラクロロエチレン及びジクロロメタンをゼロにすることができます。
今後も環境にやさしいクリーンな製品づくりを進めていきます。

地球温暖化対策

  • コンプレッサー電力削減:千葉製作所
自巻1号、2号塗装前処理後水切りブロアファン

巻ばね製品の塗装前の水切りのコンプレッサーによる圧縮エアをブロアファンに置き換え、年間約70,000kWhの電力を削減しています(37トンCO2の削減)

  • 冷却水ポンプ電力削減:千葉製作所
水槽制御盤

老朽化した水槽制御盤の更新に伴い、冷却水循環ポンプのインバーター化を行いました。圧力制御で電動機の回転数を制御し、電力を削減する事でCO2排出減を図っています。

  • 燃焼ガス削減:三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱室蘭製作所
取鍋の予熱

製鋼工場の取鍋予熱装置2基を排熱効率の高い省エネタイプのリジェネバーナーへ更新しました。この更新により、製鋼工場の燃焼ガス使用量は、従来比12%の削減を達成しています。

廃棄物等の削減・再資源化

事業活動に伴って発生する廃棄物の削除やリサイクルに取り組んでいます。

  • エアドレン廃油水削減:千葉製作所
コンプレッサー室
ドレン処理装置

環境負荷物質の管理

環境負荷低減のため、事業活動に伴う環境影響を把握し、環境法規制の遵守に取り組んでいます。

  • 臭気の低減:広田製作所
鋳込みラインのファンからの消臭
鋳型製作工場のダクトからの消臭

鋳型への溶鋼鋳込時や鋳型の製作時に鋳型に含まれる樹脂から発生する臭気を中和剤で分解・消臭し、工場内の作業環境を改善、工場外への排出を防いでいます。

TCFD提言に基づく情報開示

当社は2021年11月に、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明いたしました。
当社では、このTCFD のフレームワークに基づき、気候変動に起因する事業リスクやビジネス機会とその財務的影響等についての情報開示を行っております。(※開示の内容は、当社及び国内子会社を対象としています。)

TCFD提言とは

TCFDは、金融市場が不安定化するリスクを低減するために、G20財務大臣及び中央銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」です。気候関連のリスクと機会は中長期的に企業の財務に大きな影響を与えます。TCFD提言では、金融市場が気候関連のリスクと機会を適切に評価できるような情報開示方法を検討し、最終提言書として公表しています。投資家等が投資意思決定を行うに際し、気候関連のリスクと機会が投資先の財務状況にどのような影響を及ぼすかを的確に把握していることが重要であるとの考えに基づき、TCFD提言における4つの中核的要素である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に関する情報を開示することを推奨しています。

TCFD提言に基づく情報開示

 

①ガバナンス

気候変動関連を含むサステナビリティに関する重要課題については、「サステナビリティ委員会」で審議するとともに、取締役会でも原則毎月、サステナビリティに関する審議を行う体制としております。

詳細は、「サステナビリティ推進体制」をご覧ください。

 

主な会議体における気候変動課題への活動状況


②戦略

シナリオ分析の前提条件


リスク・機会と時間軸・影響度

移行リスク・機会への対応策


戦略のレジリエンス

 

③リスク管理

気候関連リスクの管理体制について、移行リスクはサステナビリティ委員会、物理的リスクやその他のリスクはリスク管理委員会で管掌しています。

  • リスク管理のプロセスとしては、リスク管理委員会・サステナビリティ委員会を通して全社的な短期・中期・ 長期リスクを抽出し、評価・対応及び対応策の検討を行い、取締役会にて監督を行っています。
  • カーボンニュートラル関連を含む設備投資については、中立的立場から事業計画及びリスクを精査し経営判断に資するため、企画部門を主体とした投融資委員会で審議しています。
  • BCPについては、リスク管理委員会にて、災害発生時に各部門・事業所・子会社での対応や復旧が滞りなく行われるよう、策定・検証及び見直しを行っています。

 

④指標と目標

気候変動における指標をCO2排出量と定め、2050年までにカーボンニュートラル達成を目標として掲げています。
2030年度の目標は、鋼材部門では生産と機器の効率化により2013年度比で原単位10%削減、他部門はさらなるCO2フリー電力利用等により総排出量の75%削減で設定しました。
カーボンニュートラル達成ロードマップ及び足元の進捗等の詳細については、「カーボンニュートラルに向けた取り組み」をご覧ください。

2022年度 環境データ

1.環境保全コスト

環境省「環境会計ガイドライン」を参考に集計しています。

(単位:百万円)

分類 主な内容 費用 投資
1.事業エリア内コスト
  • 資源循環コスト(産業廃棄物の処理・リサイクル費用等)
  • 公害防止コスト(大気・水質・土壌汚染防止等)
  • 地球環境保全コスト(温暖化防止・省エネルギー等)
768.1 13.0
2.上・下流コスト
  • 製品・商品等の回収、リサイクルの為のコスト等
0.0 0.0
3.管理活動コスト
  • 環境負荷監視の為のコスト(分析測定費用等)
  • 環境マネジメントシステムの整備、運用の為のコスト(外部機関審査費用等)
  • 事業活動に伴う環境改善対策の為のコスト(工場内美化費用等)
31.3 0.0
4.研究開発コスト
  • 製品等の製造段階における環境負荷の抑制のための研究開発等
61.7 0.0
5.社会活動コスト
  • 環境関連団体に対する会費・参加コスト等
0.4 0.0
6.環境損傷対応コスト
  • 環境の損傷に対応する引当金繰入額及び保険料等
0.7 0.0
合計 862.1 13.0
  • 本社及び主要3事業所計

2.環境マテリアルフロー(主要3事業所計)

生産活動におけるインプット・アウトプットを集計し、環境負荷の状況を定量的に把握しています。

INPUT
原材料投入 63万トン エネルギー投入 3,147テラ・ジュール 水資源投入 1,106万m3
OUTPUT
副産物 15,150トン 大気への放出 総排水量
再資源化量 最終埋立量 SOx NOx CO2 993万m3
8,169トン 12,982トン 0.9トン 17.8トン 21.2万トン

3.PRTRデータ(化学物質排出量・移動量データ)

単位:トン/年

事業所 物質名 政令番号 排出量 移動量
大気 公共用水 土壌 自社内埋立 下水道 事業所外への移動
千葉製作所
エチルベンゼン 53 1.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
キシレン 80 2.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
トルエン 300 7.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
広田製作所 エチルベンゼン 53 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
キシレン 80 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
クロム及び3価クロム化合物 87 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 14.0
コバルト及びその化合物 132 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0
1,3,5-トリメチルベンゼン 297 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ニッケル化合物 309 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.2
バナジウム化合物 321 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2
マンガン及びその化合物 412 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 10.0
モリブデン及びその化合物 453 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0
三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱ 2-アミノエタノール 20 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6
キシレン 80 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1
クロム及び3価クロム化合物 87 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.0
1,3,5-トリメチルベンゼン 297 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
鉛化合物 305 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.3
ニッケル 308 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2
ホウ素化合物 405 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
マンガン及びその化合物 412 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 16.9
モリブデン及びその化合物 453 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2
  • 取扱い量1トン以上の化学物質を記載しています。
  • PRTRとは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が、事業所から環境へ排出される量及び事業所外へ移動する量を、事業者が自ら把握し国に届け出をし、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計・公表する仕組みです。

4.大気データ

事業所 設備 物質 単位 規制値 実績値
千葉製作所 加熱炉 NOx ppm 150 52
ばいじん g/m3N 0.20 0.03
広田製作所 加熱炉 SOx K値 17.5 <0.1
NOx ppm 180 25
ばいじん g/m3N 0.20 <0.01
ボイラー SOx K値 17.5 1.5
NOx ppm 150 47
ばいじん g/m3N 0.25 0.04
溶解炉 SOx K値 17.5 <0.1
NOx ppm 180 <5.0
ばいじん g/m3N 0.10 <0.01
三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱ 加熱炉 NOx ppm 130 110
ばいじん g/m3N 0.15 0.010
溶解炉 ばいじん g/m3N 0.15 0.052
  • 実績値は、最大値を示しています。

5.水質データ

事業所   千葉製作所 広田製作所 三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱
項目 単位 規制値 実績値 規制値 実績値 規制値 実績値
pH(水素イオン濃度) - 5~9 7.5~8.0 5.8~8.6 7.1~7.8 5~9 7.2~8.3
BOD(生物化学的酸素要求量) mg/L - - 20 9.5 - -
COD(化学的酸素要求量) mg/L 10 7.8 - - 30 10.6
SS(浮遊物質濃度) mg/L 20 3.5 50 28 70 47
油分 mg/L 1 0.50 5 <0.5 5 4.5
銅含有量 mg/L 1 0.01 1 <0.1
亜鉛含有量 mg/L 1 0.06 2 <0.1
溶解性鉄含有量 mg/L 1 0.13 10 0.3
溶解性マンガン含有量 mg/L 1 0.01 - -
クロム含有量 mg/L - - 2 <0.1
窒素含有量 mg/L 33 19 - -
リン含有濃度 mg/L 2 0.7 - -
鉛含有量 mg/L - - 0.1 <0.01
フッ素含有量 mg/L 10 0.3 8 2.3
アンモニア、アンモニウム化合物
亜硝酸化合物及び硝酸化合物
mg/L 100 12 - -
  • 実績値は、最大値を記載しています。