カーボンニュートラルに向けて

CO2削減目標

当社は、2050年のカーボンニュートラル(Scope1,2)を掲げ、 そのマイルストーンとなる2030年度目標について、鋼材部門は原単位で10%削減、その他部門は75%削減の全体で15%削減で設定しておりましたが、目標値の見直しを行い、全体で30%削減の159千㌧までに拡大いたしました。(2013年度比)

カーボンニュートラルに向けた削減目標
  • CO2フリー電力および再生可能エネルギーはどちらもCO2排出量ゼロで発電されますが、発電に用いられる設備もリサイクルが可能な再生可能エネルギーの方が、よりカーボンニュートラルに寄与する電力を指しております

カーボンニュートラル達成ロードマップ

2050年度に向けたカーボンニュートラル達成ロードマップ
【足元の進捗】
鋼材部門以外のその他の部門については、2030年度75%削減目標の達成に向け、以下の通り進捗しております。
ばね事業(千葉製作所)  

2022年度~ 使用する電力の100%をCO2フリー電力へ移行したことにより、CO2排出量約50%削減を達成。2025年度からの再生可能エネルギーへの一部置換えに向け準備中。

素形材事業(広田製作所)2023年度~ 使用する電力の100%をCO2フリー電力へ移行したことにより、CO2排出量約90%削減を達成。

今後、今回引き上げた目標達成に向け、鋼材部門についても取り組みを進めていきます。

Scope3カテゴリー別CO2排出量

単位:千t-CO2
カテゴリー2022年度2023年度算定方法
1. 購入した製品・サービス1,4441,481原材料の購入量または購入額にCO2排出原単位を乗じて算出
2. 資本財610設備投資額にCO2排出原単位を乗じて算出
3. Scope1、2に含まれない燃料
及びエネルギー関連活動
1614購入電力量、燃料の使用量にCO2排出原単位を乗じて算出
4. 輸送・配送(上流)38省エネ法報告の燃料使用量および
カテゴリー1購入量にCO2排出原単位を乗じて算出
5. 事業から出る廃棄物22廃棄物量にCO2排出原単位を乗じて算出
6.出張00従業員数にCO2排出原単位を乗じて算出
7. 雇用者の通勤11従業員数にCO2排出原単位を乗じて算出
9. 輸送、配送(下流)66省エネ法報告の燃料使用量および個別輸送毎にCO2排出原単位を乗じて算出
15. 投資34保有株会社のCO2排出量に資本比率を乗じて算出
合計1,4791,525 
集計範囲: 当社(本社、支社・営業所、技術開発センター、工場、部品事業部各サービスセンター)、三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱、三菱長崎機工㈱、菱鋼運輸㈱
算定方法:「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.3)」および「LCIデータベース IDEA Ver.3.3」
インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入

当社は、2022年度下期より国内事業においてICPを用いてCO2削減効果を仮想金額で上乗せすることで、カーボンニュートラル関連の設備投資を推進しております。

  • 内部炭素価格:10,000円/t-CO2
  • 適用範囲:国内事業における設備投資
役員報酬制度の見直し

当社は役員報酬制度を見直し、2023年度より賞与と株式報酬の評価指標に非財務指標を組み入れることを指名報酬委員会および取締役会で決定し、導入を開始しております。環境指標ではCO2排出削減が対象となり、目標に対する達成状況が支給額に反映されます。

海外でのカーボンニュートラルに向けた取り組み
  • 各国のカーボンニュートラル目標に合わせ、省エネ技術の各拠点への導入を推進いたします。
  • インドネシア(JATIM)では電気炉によるカーボンニュートラル・スチール、ばね事業ではカーボンニュートラル・ばねの需要調査および製造検討を進めます。
  • タイ(MSM THAILAND)では、再生可能エネルギーの導入に向けた準備と検討を進めてまいります。
GXリーグへの参画

当社は、2050年カーボンニュートラルの実現と社会変革を見据え、企業の成長、生活者の幸福、地球環境への貢献が同時に実現される経済社会システム全体の変革を目指す「GXリーグ基本構想」に賛同し、2024年2月に「GXリーグ」へ参画いたしました。 今後、CO2排出量の削減に向けた取り組みを進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。各国のカーボンニュートラル目標に合わせ、省エネ技術の各拠点への導入を推進いたします。

環境負荷低減の取り組み事例

購入電力の100%CO2フリー化(千葉製作所・広田製作所)

千葉製作所では、2022年4月より電力会社より購入する全ての電力をCO2フリー電力に切り替えました。また広田製作所でも、2023年4月よりCO2フリー電力への切り替えが完了しています。これにより、当社の主要拠点4工場の内、2工場の電力のCO2フリー電力化が完了したこととなります。

拠点CO2排出量削減見込
(導入前と比較して)
導入時期
千葉製作所約8.3千t(約50%)削減2022年4月
広田製作所約7.6千t(約90%)削減2023年3月

自動車用巻ばねの戻し炉コンベアの省エネ化(千葉製作所)

自動車用巻ばねの戻し炉工程において、コンベア上に設置する「搬送用のコンベアスラットプレート」を薄肉化・穴あけして、軽量化を行いました。これにより、加熱に使用するエネルギー(都市ガス使用量)を削減することができました。(CO2削減量に換算すると、年間約560tの削減)

現行スラット配置状況

鋼材切断用ガスの水素代替活用によるCO2削減(室蘭製作所) ※チャレンジ・ゼロ イノベーション事例

連続鋳造機で鋳込んだ鋳片をLPGのガス切断装置にて最終製品に応じた長さに切断しています。このLPGを水素へ転換することでCO2排出量をゼロとすることを目標としています。
連続鋳造機で鋳込んだ鋳片の切断用燃料をLPGから水素ガスに置き換えるべく、試験・検証段階から恒久設備化に向けた改造に取り組んでおります。

鋳片切断の様子