コーポレート・ガバナンスに関する基本方針

第1章 総則

(コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方)

第1条 当社は、いかなる経営環境の変化にも対応できる企業体質を確立することを重要課題と認識し、競争力ある事業の育成を通じて、持続的かつグローバルに発展することを経営の基本方針とする。この方針のもと、「三菱製鋼グループ企業行動指針」を定め、役員・従業員が本指針を共有し、企業価値の最大化に努めるとともに、取締役会・監査役会の機能の一層の充実を図り、企業競争力の強化、迅速かつ合理的な意思決定の確保、透明性の高い健全な経営に取り組む。

  1. 2次の基本的な考え方に沿って、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に取り組む。
    1. 1株主の権利を尊重し、平等性を確保する
    2. 2株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、ステークホルダーと適切に協働する
    3. 3会社情報を適時適切に開示し透明性を確保するとともに、中長期的な企業価値の向上に資するため株主・投資家と建設的な対話を行う
    4. 4独立社外取締役が情報共有・意見交換する場を設け、取締役会による業務執行の監督機能を強化する
  2. 3本基本方針は、法令及び定款に次ぐ位置づけとし、社内の規則等に優先して適用されるものとする。
  3. 4当社は、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組む。

第2章 株主の権利・平等性の確保

(株主の権利行使)

第2条 当社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行う。また、当社は、株主の実質的な平等性を確保する。

  1. 2当社は、株主総会における議決権をはじめとする株主の権利が実質的に確保されるように努める。また、平等性を確保するに際しては、少数株主にも配慮しつつ適切な対応を行う。
  2. 3当社は、株主総会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主の視点に立って、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備を行う。
  3. 4取締役会は、株主総会において否決には至らなかったものの相当数の反対票が投じられた会社提案議案があったと認めるときは、反対の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、株主との対話その他の対応の要否について検討を行う。

(株主総会)

第3条 当社は、株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると考えられる情報について、必要に応じ適確に提供する。

  1. 2当社は、株主が株主総会議案の十分な検討期間を確保し、適切に議決権を行使することができるよう、定時株主総会の招集通知の早期発送に努めるとともに、招集通知を発送するまでの間に、東京証券取引所及び当社ウェブサイトに当該招集通知を公表する。
  2. 3当社は、株主総会の日程を、株主との建設的な対話の充実のために正確な情報提供等の観点を考慮して設定する。
  3. 4当社は、英訳版招集通知の公表や議決権電子行使プラットフォームを実施するなど、株主総会に出席できない株主を含む全ての株主が適切に議決権を行使することのできる環境の整備に努める。
  4. 5信託銀行等の名義で株式を保有する機関投資家等が、株主総会において、信託銀行等に代わって自ら議決権の行使等を行うことを希望する場合には、信託銀行や弁護士等と協議しつつ対応を決定する。

(資本政策に関する基本方針)

第4条 当社は、取締役会において、資本政策の動向が株主の利益に重要な影響を与え得ることを踏まえ、資本政策の基本方針を以下のとおり定める。

資本政策に関する基本方針

当社は、持続的な成長のために強固な財務基盤を保ち、成長投資を可能としつつリスクへの備えも保持します。キャッシュ・フロー、バランスシートの管理を強化し、資本効率の向上に努め、中長期的に企業価値を高めることにより、株主の皆様への還元に努めてまいります。

(株式の政策保有及び政策保有株式に係る議決権行使に関する基本方針)

第5条 当社は、取締役会において、上場株式の政策保有に関する基本方針及び政策保有株式に係る議決権行使に関する基本方針を以下のとおり定め、開示する。

上場株式の政策保有に関する基本方針及び政策保有株式に係る議決権行使に関する基準

当社は、毎年取締役会において、個別の政策保有株式の保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に検証し、縮減の適否を判断しております。その結果を踏まえ、当社は、相手企業との関係強化を図るために政策保有株式を保有する場合があります。政策保有株式の議決権行使については、当該企業の企業価値向上に資するものか、当社の企業価値を毀損させる可能性がないかを個別に精査し、議案の賛否を判断します。

  1. 2当社は、取締役会で主要な政策保有株式についてのリターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを毎年検証し、これを反映した保有のねらい及び合理性について確認する。
  2. 3当社は、当社の株式を政策保有株式として保有している会社(政策保有株主)から当該株式を売却等する意向を示された場合において、取引関係の縮減を示唆することなどにより、売却等を妨げない。
  3. 4当社は、政策保有株主との間で、取引の経済合理性を十分に検証しないまま取引を継続するなど、会社や株主共同の利益を害するような取引を行わない。

(株主の権利保護)

第6条 買収防衛策を導入・運用するに際しては、その必要性・合理性を検討し、適正な手続きを確保するとともに、株主に十分な説明を行う。

  1. 2当社は、自社の株式が公開買付けに付された場合には、取締役会としての考え方(対抗提案があればその内容を含む)を明確に説明し、また、株主が公開買付けに応じて株式を手放す権利を不当に妨げない。
  2. 3支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策(増資、MBO等を含む)を実施するに際しては、既存株主を不当に害することのないよう、必要性及び合理性を検討し、適正な手続きを確保するとともに、株主に十分な説明を行う。

第3章 ステークホルダーの尊重

(サステナビリティ)

第7条 当社は、サステナビリティに関する基本方針を以下のとおり定める。

サステナビリティに関する基本方針

三菱製鋼グループは、いかなる経営環境の変化にも対応できる企業体質を確立することを重要課題と認識し、競争力ある事業の育成を通じて、持続的かつグローバルに発展することを経営の基本方針としております。この方針の下、「経営理念」と「三菱製鋼グループ企業行動指針」「三菱製鋼グループ行動規範」に基づき、自らの社会的使命を果たすことでより信頼される企業を目指し、お客様・お取引先様・株主・従業員・地域社会など各ステークホルダーとの対話を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。
(Environment)環境
三菱製鋼グループは地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであると認識し、事業活動のあらゆる面で環境の保全に積極的に取り組みます。
(Social)社会
三菱製鋼グループは人権、人格、個性と多様性を尊重し、安全で働きやすい職場環境を確保するとともに、人材の育成を通じて企業活力の維持・向上を図ります。
(Governance)ガバナンス
三菱製鋼グループはグローバルな事業活動において法令や社会規範を遵守し、公正で透明、自由な競争並びに適正な取引を行うとともに、企業価値の最大化を図るため常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組みます。

  1. 2取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組む。

(ステークホルダーとの適切な協働)

第8条 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出がお客様、地域社会等をはじめとするステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを認識し、適切な協働に努め、ステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に努める。

  1. 2当社は、経営理念の下、社会的な責任を踏まえステークホルダーに配慮した経営を行い、中長期的な企業価値向上を図る。
  2. 3当社は、取締役、監査役、執行役員及び従業員が常に倫理的に行動することを確保するため、取締役会において、三菱製鋼グループ企業行動指針を別途定め、実践されているか否かについて、定期的にレビューを行う。

(ステークホルダーとの関係)

第9条 当社は、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保する上での強みとなり得るとの認識に立ち、社内における女性の活用を含む多様性の確保を推進する。

  1. 2当社は、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示し、開示する。
  2. 3中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針をその実施状況と併せて開示する。
  3. 4当社の取締役及び監査役は、それぞれ株主に対する受託者責任を認識し、ステークホルダーとの適切な協働を確保しつつ、当社及び株主共同の利益のために行動する。
  4. 5当社は、従業員等が、当社事業活動における違法又は不適切な行為を伝え、また伝えられた情報や疑念が客観的に検証され適切に活用されるよう、内部通報制度の一層の充実に努めるとともに、取締役会はその運用状況を監督する。また、当社は経営陣から独立した社外の通報窓口を設置するとともに、情報提供者の秘匿と不利益な取扱いを受けることがない旨を、内部通報規程に明記する。

(企業年金の機能の発揮)

第10条 当社は、企業年金の運用の専門性を高め、アセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう、企業年金基金の責任者には、適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置を行うとともに、当該責任者に対する継続的な教育機会の提供等を行うことにより、資質の向上を図る。

  1. 2資産運用に関する意思決定については、資産運用機関の審議を踏まえ、代議員会において決定するものとし、資産運用委員会及び代議員会には、適切な資質を持った人材を配置するとともに、受益者代表として労働組合幹部等を配置する。
  2. 3企業年金基金の事務局には、適切な資質をもった人材を選出・配置する。

第4章 適切な情報開示に基づく透明性確保と株主・投資家との対話

(情報開示と透明性)

第11条 当社は、会社の財務情報や経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組む。

  1. 2取締役会は、開示・提供される情報が株主・投資家との間で建設的な対話を行う上での基盤となることも踏まえ、情報が正確で分かりやすく、有用性の高いものとなるよう努める。

(情報開示の充実)

第12条 当社は、法令に基づく開示を適切に行うことに加え、以下の事項等について開示・公表を行う。

  1. 1経営理念、経営計画
  2. 2コーポレート・ガバナンスに関する基本方針
  3. 3取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続き
  4. 4取締役候補者及び監査役候補者の指名並びに代表取締役の選解任を行うに当たっての方針と手続き
  5. 5取締役候補者及び監査役候補者の指名並びに代表取締役の選解任を行う際の、個々の選解任・指名についての説明
  1. 2情報は、利用者にとって分かりやすく、付加価値の高い記載となるように開示を行う。
  2. 3海外投資家への情報開示の観点から、合理的な範囲において、英語での情報の開示及び提供に努める。
  3. 4当社は経営戦略の開示に当たって、サステナビリティについての取組みを適切に開示する。また、人的資本や知的財産への投資等についても、経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供する。

(会計監査人への対応)

第13条 当社は、会計監査人が株主・投資家に対して責務を負っていることを踏まえ、適正な監査の確保に向けて適切な対応を行う。

  1. 2監査役会は、会計監査人の適正な監査の確保のため、次の対応を行う。
    1. 1会計監査人を適切に選定及び評価するための基準の策定
    2. 2会計監査人が当社の会計監査を行うに当たっての独立性と専門性の有無の確認
  2. 3取締役会及び監査役会は、会計監査人の適正な監査の確保のため、次の対応を行う。
    1. 1高品質な監査を可能とする十分な監査時間の確保
    2. 2会計監査人から代表取締役へのアクセス(面談等)の確保
    3. 3会計監査人と監査役、内部監査部門や社外取締役との十分な連携の確保
    4. 4会計監査人が不正等を発見し適切な対応を求めた場合や、不備又は問題点等を指摘した場合の対応体制の整備

(株主・投資家との対話)

第14条 当社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主・投資家との間で建設的な対話を行う。

  1. 2取締役は、前項の対話を通じて株主・投資家の関心・懸念に耳を傾け、自らの経営方針を株主・投資家に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行い、ステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、そうした理解を踏まえた適切な対応に努める。
  2. 3取締役会は、株主・投資家との対話に関する基本方針を定め、公表する。
  3. 4当社は、年に1回又は必要に応じ年に2回、自らの株主構造の把握に努める。
  4. 5当社は、中期経営計画等の策定・公表に当たっては、取締役会において決定された事業ポートフォリオに関する基本的な方針や事業ポートフォリオの見直しの状況について分かりやすく伝えるように努める。

第5章 コーポレート・ガバナンス体制

第1節 取締役及び取締役会

(取締役会の責務)

第15条 取締役会は、株主に対する責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力及び資本効率等の改善を図るべく、以下の責務を負う。

  1. 1経営の基本方針等の大きな方向性を示すこと
  2. 2代表取締役による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと
  3. 3独立した客観的な立場から、取締役の業務執行に対する実効性の高い監督を行うこと

(取締役会の役割)

第16条 取締役会は、当社の経営の基本方針等の確立を主要な責務の一つと捉え、中期経営計画等について建設的な議論を行い、重要な業務執行の決定を行う場合も、当該方針を踏まえて決定する。

  1. 2取締役会は、経営判断の機動性及び専門性を確保すべく、法令の定めるところに従い株主総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう、株主総会に提案する。
  2. 3取締役会は、法令及び社内規程の定めにより、取締役会にて決議すべき事項以外の業務執行について、適切にその意思決定を取締役に委任し、経営の監督機能を発揮する。
  3. 4取締役会は、中期経営計画が株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、その実現に向けて最善の努力を行うとともに、目標達成状況を確認・分析し、株主に説明を行いその分析を次期以降の計画に反映させる。
  4. 5取締役会は、経営の基本方針等を踏まえ、代表取締役社長執行役員の後継者計画の策定・運用に主体的に関与するとともに、後継者候補の育成が十分な時間と資源をかけて計画的に行われていくよう監督する。
  5. 6取締役会は、適切なリスクテイクを支える環境整備を行うことを主要な責務の一つと捉え、取締役からの提案について独立した客観的な立場において多角的かつ十分な検討を行う。
  6. 7取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティに関する基本方針を策定する。
  7. 8取締役会は、人的資本・知的財産への投資等の重要性に鑑み、経営資源の配分や、事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、企業の持続的な成長に資するよう、実効的に監督を行う。
  8. 9取締役会は、取締役、執行役員、部長、室長以上の選任や解任について、業績等の評価を踏まえ、公正かつ透明性の高い手続きに従い、適切に実行する。
  9. 10取締役会は、独立した客観的な立場から、取締役に対する実効性の高い監督を行うことを主要な責務の一つと捉え、適切に業績等の評価を行い、当該評価を取締役の報酬に反映する。
  10. 11取締役会は、適時かつ正確な情報開示が行われるよう監督を行う。
  11. 12取締役会は、グループ全体を含めたコンプライアンスや内部統制(財務報告に係る内部統制を含む)や全社的リスク管理体制を適切に整備・構築するとともに運用が適切に行われているか監査室を活用しつつ監督する。
  12. 13監査役候補者として、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有している者を選任する。特に、財務・会計に関する十分な知見を有している者を1名以上選任する。
  13. 14取締役との取引(関連当事者間の取引)を行う場合には、当該取引が当社や株主共同の利益を害することのないよう、取締役会は、適正な手続きに従い監視(取引の承認を含む)を行う。
  14. 15取締役会は、取締役と当社との間に生じ得る利益相反を適切に管理する。

(取締役会の構成)

第17条 取締役会は、経営戦略に照らして備えるべきスキル等を特定した上で、その役割・責務を実効的に果たすための知識、経験、能力を全体としてバランス良く備え、多様性と適正規模を両立させる形で構成する。

  1. 2取締役会は、第1項の考え方を以下のとおり定め、開示する。
取締役会のバランス、多様性、規模に関する考え方

取締役会は、必要最小限の規模とし、意思決定を迅速かつ効率的に行える体制とすると同時に、国際性を含む多様な経験・知識・能力を備えたメンバーで構成することで、取締役会の適正規模と多様性の両立を図っております。また、社外取締役を3分の1以上選任することにより、業務執行の決定における公平性及び透明性を確保しております。

  1. 3取締役会は、各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したスキルマトリックスを開示する。

(取締役候補者及び監査役候補者の指名並びに代表取締役の選解任を行うに当たっての方針)

第18条 取締役会は、取締役候補者及び監査役候補者の指名並びに代表取締役の選解任を行うに当たっての方針を以下のとおり定める。

取締役候補者及び監査役候補者の指名並びに代表取締役の選解任を行うに当たっての方針

取締役会は、取締役・監査役候補者の指名を行うに当たっては、当社経営方針である、競争力ある事業の育成を通じて、持続的かつグローバルに発展することに貢献でき、中長期的に当社の企業価値の最大化に寄与することができる人物を指名しております。
また、取締役・監査役候補者の指名並びに代表取締役の選解任に当たっては、指名報酬委員会から答申を得ることとしております。

(取締役会の運営)

第19条 取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論及び意見交換の場とする。

  1. 2取締役会は、会議の運営に関する次の取扱いを確保しつつ、審議の活性化を図る。
    1. 1取締役会の資料が、原則として会に先立って配布されるようにすること
    2. 2取締役会以外の資料については、社外役員連絡会において提供する
    3. 3年間の取締役会開催スケジュールや予想される審議事項について決定しておくこと
    4. 4審議項目数や開催頻度を適切に設定すること
    5. 5審議時間を十分に確保すること

(取締役会の実効性評価)

第20条 取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、取締役会の機能の向上を図る。

  1. 2取締役会は、毎年、各取締役の自己評価等も参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示する。

(独立社外取締役)

第21条 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与する役割及び責任を担う独立社外取締役を3分の1以上選任する。なお、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含める。

  1. 2取締役会は、取締役会で率直かつ活発で建設的な検討への貢献ができる人物を独立社外取締役の候補者として選定するよう努める。
  2. 3当社は、東京証券取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役の独立性を実質面において担保することに主眼を置いた独立性基準とする。
  3. 4独立社外取締役には、以下の役割・責務を果たすことを期待する。
    1. 1経営の方針や経営改善について、自らの知見に基づき、当社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図るとの観点からの助言を行うこと
    2. 2取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと
    3. 3当社と取締役、執行役員、主要株主等との間の利益相反を監督すること
    4. 4取締役、執行役員、主要株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に反映させること

第2節 監査役及び監査役会

(監査役及び監査役会の責務)

第22条 監査役及び監査役会は、取締役の職務執行の監査、監査役・会計監査人の選解任や監査報酬に係る権限の行使等の役割及び責務を果たすに当たって、株主に対する責任を踏まえ、独立した客観的な立場において適切な判断を行う。

  1. 2監査役及び監査役会は、業務監査・会計監査にとどまらず、能動的・積極的に権限を行使し、取締役会において取締役に適切に意見を述べる。
  2. 3監査役会は、社外監査役と常勤監査役の双方が、各々の役割及び責務を十分に果たすことができるよう、それぞれの特性を有機的に組み合わせることで、実効性を高める。
  3. 4監査役又は監査役会は、社外取締役の情報収集力の強化を図ることができるよう、社外取締役との連携を確保する。

第3節 社外役員連絡会及び指名報酬委員会

(社外役員連絡会及び指名報酬委員会)

第23条 当社は、社外取締役と社外監査役間の情報交換と認識共有等を目的として、社外取締役と社外監査役をメンバーとする社外役員連絡会を取締役会の下部機関として設置し、必要に応じて開催する。当該委員会には社内監査役も必要に応じて出席することができる。

  1. 2当社は、役員の指名等及び役員報酬の決定等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的として指名報酬委員会を取締役会の下部機関として設置し、必要に応じて開催する。指名報酬委員会には、独立社外取締役及び取締役会長のみが出席するとともに、ジェンダー等の多様性やスキルの観点を含めた関与・助言を行う。
  2. 3社外役員連絡会では、情報交換・認識共有に資する事項を自由に議論する。指名報酬委員会では役員の指名等及び役員報酬の決定等について代表取締役社長執行役員から原案の説明を受け、審議する。
  3. 4社外取締役は、社外役員連絡会の運営を通じて、取締役及び監査役又は監査役会との連携を図る。
  4. 5当社は、社外役員連絡会及び指名報酬委員会の運営を通じて、必要な情報を適確に提供するための工夫を行う。
  5. 6当社は、取締役候補者及び監査役候補者を取締役会で選任するにあたっては、第17条第2項及び第18条を踏まえて代表取締役社長執行役員が人事案を作成し、取締役会の諮問を受けた独立社外取締役及び取締役会長をメンバーとする指名報酬委員会からの答申を経た上で、取締役会決議を得る。但し、監査役候補者については監査役会の同意も得る。
  6. 7当社は、代表取締役の選解任を行うにあたっては、取締役会の諮問を受けた独立社外取締役及び取締役会長をメンバーとする指名報酬委員会からの答申を経た上で、取締役会決議を得る。
  7. 8当社は、取締役の報酬を取締役会で決議するにあたっては、第24条を踏まえて代表取締役社長執行役員が報酬案を作成し、取締役会の諮問を受けた独立社外取締役及び取締役会長をメンバーとする指名報酬委員会からの答申を経た上で、取締役会決議を得る。
  8. 9社外役員連絡会及び指名報酬委員会には事務局を設置し、事務局が議事録を作成、保管する。

第4節 報酬制度

(取締役の報酬等)

第24条 取締役の報酬等は、会社の業績や潜在的リスクを反映させ、健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを行う。

  1. 2取締役会は、指名報酬委員会の助言を得た上で、業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定し、報酬制度を設計する。

第5節 取締役及び監査役の支援体制と情報提供等

(支援体制と情報提供)

第25条 当社は、社外取締役及び社外監査役に対しては社外役員連絡会、監査役に対しては監査役スタッフを置き支援する。

  1. 2取締役及び監査役は、その役割及び責務を実効的に果たすために、能動的に情報を入手し、必要に応じ、当社に対して追加の情報提供を求める。
  2. 3社外取締役を含む取締役は、透明・公正かつ迅速・果断な当社の意思決定に必要と考える場合には、当社に対して追加の情報提供を求めることができる。また、社外監査役を含む監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、適切に情報入手を行う。
  3. 4取締役及び監査役は、必要と考える場合には、当社の費用において外部の専門家の助言を得ることができる。
  4. 5取締役会及び監査役会は、各取締役及び監査役が求める情報の円滑な提供が確保されているかどうかを確認する。
  5. 6当社は、取締役会及び監査役会の機能発揮に向け、内部監査部門がこれらに対し適切に直接報告を行う仕組みを構築することにより、内部監査部門と取締役・監査役との連携を確保する。

(兼任)

第26条 社外取締役及び社外監査役を含む取締役及び監査役は、その役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を取締役及び監査役の業務に振り向けることとし、取締役及び監査役が他の上場会社の役員を兼任する場合には、当社を含め原則として3社以内にとどめ、当社はその兼任状況を毎年開示する。

(取締役及び監査役のトレーニング)

第27条 新任者をはじめとした取締役及び監査役は、その役割及び責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習得や適切な更新等の研鑽に努める。

  1. 2当社はこれを支援するため、個々の取締役及び監査役に適合したトレーニングの機会の提供及びその費用の支援を行う。
  2. 3取締役会は、前項の対応が適切にとられているか否かを確認する。
  3. 4社外取締役及び社外監査役を含む取締役及び監査役は、求められる役割と責務(法的責任を含む)を果たすため、就任時又は就任後に、当社の事業・財務・組織等に関する必要な知識を取得又は更新する機会を得る。
  4. 5当社は、取締役及び監査役に対するトレーニングに関する基本方針を以下のとおり定め、開示する。
取締役及び監査役に対するトレーニングに関する基本方針

当社は、取締役及び監査役が株主から受託された責任と法的責任を果たすことを目的として、以下のとおり「取締役及び監査役に対するトレーニングに関する基本方針」を定めます。

  1. 1取締役及び監査役の就任の際には、取締役及び監査役に求められる役割と責務を十分に理解できる機会を提供するとともに、企業価値向上経営の重要な責務を担うことを踏まえ、企業経営全般に関する研修機会を提供します。
  2. 2社外取締役及び社外監査役を含む取締役及び監査役の就任の際には、当社グループの事業、財務、組織等に関する必要な知識の説明及び工場視察等の当社グループへの理解を深める機会を提供します。
  3. 3就任後も、継続的に社外有識者による講義等、個々の取締役及び監査役に適合した研修の機会の提供やその費用の支援を行います。