カーボンニュートラルに向けて

中長期ビジョン

三菱製鋼グループは、以下の中長期環境ビジョンに則り、2050年のあるべき姿に向けて活動してまいります。

  
 

GHG排出量削減

1.削減目標 (国内Scope1,2)
2.削減実績

当社グループでは、調達、製造、輸送に至るバリューチェーンにおける環境負荷の低減、GHG排出量の削減に努めています。

■ライフサイクル全体のGHG排出量

(t-CO2e)

★印は第三者保証値です(集計範囲:三菱製鋼とその国内連結会社4社、海外子会社8社)

■Scope1,2,3のGHG排出量推移

 

■Scope3 カテゴリ別GHG排出量

環境データの詳細については「環境データ」をご覧ください。

目標達成に向けた取り組み

インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入

当社は、2022年度下期より国内事業においてICPを用いてCO2削減効果を仮想金額で上乗せすることで、カーボンニュートラル関連の設備投資を推進しております。

  • 内部炭素価格:10,000円/t-CO2
  • 適用範囲:国内事業における設備投資
役員報酬制度の見直し

当社は役員報酬制度を見直し、2023年度より賞与と株式報酬の評価指標に非財務指標を組み入れることを指名報酬委員会および取締役会で決定し、導入を開始しております。環境指標ではCO2排出削減が対象となり、目標に対する達成状況が支給額に反映されます。

海外でのカーボンニュートラルに向けた取り組み
  • 各国のカーボンニュートラル目標に合わせ、省エネ技術の各拠点への導入を推進いたします。
  • インドネシア(JATIM)では電気炉によるカーボンニュートラル・スチール、ばね事業ではカーボンニュートラル・ばねの需要調査および製造検討を進めます。
GXリーグへの参画

当社は、2050年カーボンニュートラルの実現と社会変革を見据え、企業の成長、生活者の幸福、地球環境への貢献が同時に実現される経済社会システム全体の変革を目指す「GXリーグ基本構想」に賛同し、2024年2月に「GXリーグ」へ参画いたしました。 今後、CO2排出量の削減に向けた取り組みを進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。各国のカーボンニュートラル目標に合わせ、省エネ技術の各拠点への導入を推進いたします。

第三者認証の取得

当社グループでは、2024年度(2024年4月~2025年3月)のGHG排出量および環境パフォーマンスデータ(取水、廃棄物(国内のみ))について、国際的な基準である「JIS Q 14064-3:2023 (ISO 14064-3:2019)」に準拠した第三者検証を実施し、その検証機関であるソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による保証報告書を取得しました。これにより、ステークホルダーの皆様に対し、より信頼性・透明性の高いデータを開示することが可能になりました。

対象範囲

三菱製鋼株式会社及び連結会社(日本国内子会社4社および海外子会社8社)

対象期間

2024年4月1日~2025年3月31日

対象項目

事業活動により発生する温室効果ガス(GHG)排出量(スコープ1、 スコープ2 、スコープ3(カテゴリー1~7、9~12、15)および環境パフォーマンスデータ(取水、廃棄物(国内のみ))

環境負荷低減の取り組み事例

購入電力の100%CO2フリー化(千葉製作所・広田製作所)

千葉製作所では、2022年4月より電力会社より購入する全ての電力をCO2フリー電力に切り替えました。また広田製作所でも、2023年4月よりCO2フリー電力への切り替えが完了しています。これにより、当社の主要拠点4工場の内、2工場の電力のCO2フリー電力化が完了したこととなります。

拠点2024年度 GHG排出削減量
※マーケット基準
導入時期
千葉製作所7,704t削減2022年4月
広田製作所4,167t削減2023年3月

自動車用巻ばねの戻し炉コンベアの省エネ化(千葉製作所)

自動車用巻ばねの戻し炉工程において、コンベア上に設置する「搬送用のコンベアスラットプレート」を薄肉化・穴あけして、軽量化を行いました。これにより、加熱に使用するエネルギー(都市ガス使用量)を削減することができました。(CO2削減量に換算すると、年間約560tの削減)

現行スラット配置状況

鋼材切断用ガスの水素代替活用によるCO2削減(室蘭製作所) ※チャレンジ・ゼロ イノベーション事例

鋼材製造工程におけるガス切断装置で使用しているLPGを水素に転換することで、CO2排出量ゼロを目指します。23年12月に量産試験用の設備導入を完了し、切断
試験を実施しました。現在は試験を継続しながら水素量の調整を行い、量産化に向けた拡大試験を進めています。今後は恒久設備化に向けた改造に取り組んでまいります。

鋳片切断の様子