人的資本経営の推進
当社グループでは、社員一人ひとりが持つ力を伸ばし、会社の強みとしていく人的資本の活用が、当社グループにとって持続的成長の必須条件であると認識し、人材育成とダイバーシティ、職場環境の改善を重視し、社内におけるサステナビリティ対応として取り組みを進めています。
従業員エンゲージメントの向上
当社では、人的資本経営の実現に向けて、毎年下記のサイクルを継続して実施し、経営層が先頭に立って変革を推進していくことで、“すべての社員がその能力を十分に発揮できる環境”をつくり、生産性向上とイノベーションの実現を目指してまいります。
具体的には、「2030年のありたい姿」の実現に向けて、人的資本経営に向けた各施策を進めつつ、経営トップとの各階層別タウンホールミーティング実施による意見の吸い上げや、エンゲージメントサーベイを通した評価・分析を行うことで、継続的に改善を進めています。

課題達成に向けた計画の立案
当社グループでは、2023年度〜2025年度を対象とする「2023中期経営計画」にて、2030年のありたい姿「人を活かし、技術を活かし、時代の波に乗り続ける企業でありたい」に向けた4つの基本方針の一つとして「人材への投資」を掲げています。
同計画で掲げた以下の施策を進めることで、生産性向上とイノベーションを実現してまいります。
人を活かす職場環境づくり
- DX・業務断捨離による『タイムパフォーマンス』の高い組織へ変革。
- 有給休暇や育休制度の拡充による『働きやすい環境』づくりの促進。
- エンゲージメントサーベイによる従業員満足度把握の強化と改善。
人材の多様性がもたらす柔軟な創造力
- 女性の工場勤務を可能とする職場づくり、女性活躍推進を目的とした研修。
- 積極的な中途採用を通した、多様な知見や考え方の活用。
- 現地採用者の本邦勤務などグローバルな人材交流の実施。
人を活かす仕掛けづくり
- 社員の働きがいやチャレンジ精神を高めるための評価制度の見直し(評価のフィードバック強化、社内スタートアップ制度の浸透)。
- 人材要件を踏まえたリスキリング機会の提供(生涯学習の支援)。
- 資格取得支援制度の充実を軸とした自律型人材の育成(人材の質向上)。
人材への投資増加額(教育、資格取得支援、福利厚生充実)中計3年間で5億円
改善施策・実行
従業員が「働きやすく、やりがいを持って働くことのできる」職場環境づくりに向けて、さまざまな取り組みを実施しています。
過去最高水準の賃金改善を実施

2024年の春季交渉において、労働組合からの要求額23,000円(組合員1人当たり平均)に対し、満額回答を行いました。当社としては過去最高の賃金改善であり、定期昇給と合わせると、約9%の賃金改善となります。
また、前年度も8,000円の賃金改善(インフレ対応を含む)を行っており、定期昇給を含めた賃金アップ率は約13%となります。
人材確保に向けて「鶴ケ崎寮」を新設(三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱)

室蘭市みゆき町に独身者向けの「鶴ケ崎寮」を新設しました。
完成した寮は、ベッド、エアコン等完備のほか、食堂や対談室を設け、朝・夜の食事を低価格で提供するなど、入寮者が生活しやすい環境を整備しています。
製造現場の作業環境改善
昨年のエンゲージメントサーベイで明らかになった当社の大きな課題の一つとして「職場環境(特に製造現場の作業環境改善)」が挙げられます。これに対して、追加の予算枠を設け、製造現場の暑さ対策として、冷風機・ファンの設置や遮熱塗装等を行いました。
モニタリング・可視化(エンゲージメントサーベイ)
当社では、従業員の期待値や評価の可視化・モニタリングを目的として、2023年度よりエンゲージメントサーベイを実施しています。
初回となった、2023年度の調査の結果、主に以下の点が当社の弱みとして明らかになりました。
● 職場環境(施設・設備面) ● 上司と部下のコミュニケーションや部下の育成
こうした調査結果の分析をもとに、課題として挙がった項目の改善を中心に、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを進めています(詳しくは「さらなる改善に向けた結果の分析と共有」をご覧ください)。
また2024年7〜8月にかけて、第2回のエンゲージメントサーベイを実施しました。
中計で掲げた「人材への投資」については、質問に対する肯定的回答率が大幅に改善するなど、施策に対して一定の効果が見られました。
【質問】 「2023年度に実施された諸施策により、前回サーベイ実施時(2023年8月)よりも「人材への投資」がされているという実感がありますか?」
⇒肯定的回答率(「⾮常にそう思う」「まあそう思う」)が68%に上昇し、前年比大幅改善
全体のスコアも前年比僅かに改善したものの、依然として満足のいく水準とはいえず、さらなる取り組みが必要と考えています。前回明らかになった「職場環境(施設・設備面)」や「上司と部下のコミュニケーションや部下の育成」は、引き続き重要な課題であり、これらの課題解消に向けた施策の実行と定期的な効果の測定を行うことで、持続的な改善を図ってまいります。
さらなる改善に向けた結果の分析と共有
結果の共有

エンゲージメントサーベイの結果については、経営会議・取締役会で報告を行うとともに、社内広報媒体にて、結果概要の報告を行っています。また管理職については、各拠点にて別途「エンゲージメントサーベイ結果共有会」を実施し、サーベイ結果の読み解き方やそれに対するアクションプランの立て方を外部の専門業者の方からご説明いただく機会を設けています。
さらに各部署で立てたアクションプランを実行しフォーカスサーベイ(個別の項目に絞った意識調査)を行って評価を行うなど、調査で明らかになった課題の解決に向け、全社レベルだけでなく、各部署単位でも取り組みを進めています。
改善に向けた取り組み
2023年度のサーベイで明らかになった課題に対し、以下の取り組みを行いました。
- 1職場環境(施設・設備面)
主に各製作所の現場において、夏季の暑さ対策や駐車場・風呂場等、職場環境の改善の要望が多く挙がりました。これを受け、各事業所における施設環境の改善費用として、2024年度に約5億円の予算を設け、施設環境の改善を進めています。
- 2上司と部下のコミュニケーションや部下の育成
ロールプレイングを用いた研修を実施し、部下の自律性を促進し、モチベーションを維持するための効果的なコミュニケーションの習得を図るとともに、個々のレベルを測定し課題の抽出を進め、マネジメント層の質の底上げを行うことで、部下育成の強化を進めています。
さらに、部門ごとの重点課題については、結果共有会を活用して各管理職がアクションプランを作成し、計画に沿って改善を進めています。
改善サイクルを支える仕組み(会社と従業員の対話の機会)

当社では、会社と従業員が対話できる機会を積極的に設けることで、さらなるエンゲージメント向上に向けた改善活動を進めています。
従来から、人事部や各事業所と労働組合との対話の機会を定期的に設けているほか、「生活総点検活動」として、従業員の要望を労働組合から書面で会社側に提出する仕組みを構築しています。
また2022年より、従業員の日頃の困りごとや要望等の“生の声”を吸い上げることを目的に、タウンホールミーティングを実施しています。ここで出た意見や要望は、エンゲージメントサーベイの結果等とあわせて、改善に向けた施策に取り入れることで、より実効性の高い従業員エンゲージメントの向上策につなげてまいります。
人材戦略・育成
当社では、2030年のありたい姿を「人を活かし、技術を活かし、時代の波に乗り続ける企業でありたい」と設定し、現行の「2023中期経営計画」は、ありたい姿に向けた準備期間と位置付けています。
このありたい姿の達成、特に「戦略事業の育成」に向けては、必要な人材の育成や確保が不可欠です。
戦略事業の事業本格化は次期中計以降を予定していますが、今中計期間中ではその準備期間として、中途採用の積極化や、教育等による「成長を支える人材育成の土台づくり」を進めています。

人材育成
企業の持続的成長の源泉は人材であるとの認識から、人材の育成と活用に注力し、成長と自己実現を実感できる企業を目指し人材育成に取り組んでいます。また、当社の求める人材像を明確化し、階級ごとに必要な行動特性を示した「コンピテンシーマップ」の要件水準に沿うための階層別研修、社内風土や意識改革を進める仕掛けづくりや、教育体系に沿った研修を実施していきます。

管理職の人材育成
マネジメント層における部下育成力強化
当社の人事課題の一つに、管理職のマネジメント力向上とそれを発揮できる仕組みづくりがあります。マネジメント力底上げを目的に『マネジメント力向上プロジェクト』と称し、まず今年度はコーポレート部門、営業部門の管理職を対象に、メンバー個々に合わせたコミュニケーション力やマネジメント力のアクションラーニング研修を実施しています。来年度は事業部所属の管理職まで対象を拡大し、全社的に管理職のレベルを上げ、社員一人ひとりの力を最大限引き出せる仕組み作りに取り組んでいます。
従業員キャリア形成に向けた取り組み
今後、50代以上の方々のさらなる活躍が期待されていることから、今までのキャリアを振り返り個人の強みややりがいを再認識し、今後のさらなる活躍につなげることを目的に、55歳以上の従業員を対象に社外のキャリアコンサルタントを活用したキャリア面談を実施いたしました。
今後、自己啓発の機会を増やし、社外リソースを活用して従業員の主体的なキャリア形成を支援してまいります。
産学連携による取り組み
当社は、一般社団法人日本鉄鋼協会が主催する「企業経営幹部による大学特別講義」に参画し、特殊鋼の使用例、その製造プロセス、当社の事業展開や開発事例等をテーマに大学生に向けた講義を担当しています。
また、技術開発センターが中心となって、産学連携による共同研究にも取り組んでいます。技術開発力の向上を目指して、当社と技術開発においてシナジーのある全国各地の大学と連携し、共同で研究開発を進めています。
さらに、明日の三菱製鋼を担う人材育成を計画的に進めるため、企業に在籍しながら社員を大学に派遣して博士号取得を目指す取り組みを開始しています。
若手社員育成に関する取り組み
7年次研修

当社教育体系全体において、新入社員、若手、エルダー、管理職対象の研修は体系化が進捗してきたものの、定例的に開催する中堅層向け研修が確立されていない課題を解決するため、7年次社員を対象に現在の業務内容や今後チャレンジしたいこと等について経営陣に向けての発表会を実施しています。
当該中堅層の士気向上を図るため、今後も継続していきます。
プロフェッショナル人材の育成
技術系対象業務改善発表会

新入社員の技師論発表以降、成果発表の機会が乏しかったため、自職場での取り組み、業務改善の報告を通じ、達成感を得られる機会として、技術系社員を対象とした業務改善発表会を実施しました。各部門の枠を超えた交流の場となるよう、今後も継続して業務改善発表会を実施し、改善意欲向上につなげていきます。
グローバル人材育成
社員がグローバルに活躍するための教育として、赴任前には、語学研修をはじめ、現地でビジネスを行う上で必要な基礎知識習得・異文化理解を目的とした研修を行っています。
また、社員の英語力底上げを目的に、語学研修の支援を行っています。
自己啓発支援
当社は、自己啓発の教育ツールとして、Eラーニングを導入しています。スマートフォンの利用にも対応しており、時間や場所に拘束されず自由に学習することができます。語学学習、メンタルヘルス等のマネジメント系のほか、技術・技能に関する知識やパソコンの実務知識、DX関連など、幅広いカリキュラムの中から任意のコースを選択し受講することができます。受講を促すための継続的な取り組みとして、事務局が定期的にEラーニング通信を発行し利用を促進しています。
また、社員の能力や専門性を高めるための自己啓発支援として、公的資格取得報奨制度を定めています。
社員の成長に必要なスキル取得に向け、対象資格の拡充及び資格取得に対する学びの支援体制を整えており、公的資格を取得した場合は、資格の種類に応じた報奨金の支給を受けることができます。今後も「成長機会の提供」として、従業員の成長を促す基盤整備を進めてまいります。
新規事業創出チャレンジ

新規事業創出に向けた取り組みの一環として、2023年度より公募型研修『新規事業創出チャレンジ』を開始しています。このプログラムは自ら課題を見つけ自ら解決していくイントラプレナーシップ人材の育成を目的としたもので、外部の専門家の全面的なサポートを受けながら、考案した新規事業アイデアをビジネスに進化させるためのノウハウ獲得を目指しています。
初年度となる2023年度は25件の応募があり、トレーニングや複数回のオーディションを経て、最終選考まで勝ち残った3名が経営層に対して報告会を行いました。今後は、発案者が中心となってビジネスモデルの実現可能性を検証し、事業化を目指していく予定です。
多様性向上の取り組み
当社はダイバーシティ推進を、持続的に成長できる強い企業になるための経営戦略の一つとして位置付けています。従業員一人ひとりが、多様な考え方や経験を活かし、持てる力を最大限発揮し、誇りとやりがいを持って活躍できるように取り組んでいます。
多様な人材がいきいきと働く環境づくり
ダイバーシティや人権に関する研修を行うなど、継続的に意識・風土醸成に取り組んでいます。育児・介護等と仕事の両立に向けた制度の充実に加え、 テレワークやフレックスタイム制、時差出勤の活用など、新しい働き方も推進しています。
また、2022年度より年次有給休暇取得75%達成を目標に掲げ、休日前後の有給取得を取得しやすくする「プラスONEキャンペーン」を実施するなど、「 有給休暇を取得しやすい」職場風土づくりにも取り組み、2023年度は75%を達成しました。
女性活躍の推進

当社は、2021年4月に2025年度末までを対象期間とした女性活躍推進法に基づく行動計画を策定し、各種取り組みを進めています。女性管理職比率については目標に対して大きく未達となっていますが、管理職候補層の女性比率は、2022年度1.8%から2024年4月時点では8.3%と大きく改善しており、次世代管理職の女性人材の育成が進んでおります。また、多様な働き方を支援するため育児休業期間の延長や短時間勤務対象者拡大、一時保育利用補助等の制度面の充実に取り組んでいます。
直近では、配偶者が出産した男性社員への取得促進や取得者の感想を社内誌に掲載するなど、男性の育休取得率向上に努めており、特に出産後の短期間だけでなく、3カ月〜1年にわたる長期間の男性の育児休業取得者が着実に増加しています。今後も、制度の周知と社員全体を対象とした理解促進セミナー等を組み合わせた取り組みを実施していきます。
「くるみん認定」を取得

当社は、昨年11月に次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を取得いたしました。
「くるみん認定」とは、厚生労働大臣が一定の基準を満たした企業に対して、仕事と家庭を両立しやすい職場であることを、「子育てサポート企業」として認定するものです。
これまで当社で取り組んできた「男性の育児休業等取得率の向上」、「育児と仕事の両立に関する理解の浸透」、「年次有給休暇の取得推進および時間外労働の削減」への取り組みが評価され、認定取得に至りました。
今後も当社では、子育てに携わる社員はもちろんのこと、一人ひとりが働きやすい環境を柔軟に選択できるよう整備を進め、すべての社員がその能力を十分に発揮できる環境づくりの強化に取り組んでまいります。
育児休業規程
休業期間 | 最長で子が3歳になった年度の年度末まで、繰り下げ可 |
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育児休業を希望しない場合の取り扱い | 子が3歳まで、申出により時間外労働免除等の措置 |
子の看護休暇 | 子が小学校6年生まで、1人の場合5日/年、2人以上の場合10日/年を限度 |
所定労働時間の短縮 | 子が小学校3年生まで、所定労働時間を6時間/日(時間帯は都度調整) |
時間外労働の免除 | 子が3歳まで、時間外労働を免除 |
時間外労働の制限 | 子が小学校就学前まで、24時間/月、150時間/年を限度 |
育児のための深夜業の制限 | 子が小学校就学前まで、原則深夜労働を免除 |
ハラスメント対策
2022年4月の育児介護休業法の改正に伴い、「出生時育児休業」(通称:産後パパ育休)の取得推進に向けて、全社員対象にパタニティハラスメント研修を実施しました。
管理職、一般社員とで研修内容を変え、ハラスメントの防止活動に取り組んでいます。
安全と健康
安全への取り組み
当社グループは、「安全は全てに優先する」という考えのもと、安全で健康的に働ける、快適な職場環境づくりを推進しています。多くの機会によるコミュニケーションを通じてリスク感受性を高め、基本に立ち帰り「初心に帰る」をスローガンに掲げ、安全活動を推進しております。
当社の対策
従来より行っている安全パトロールに加え、国内・海外の全拠点の従業員に安全ワッペンとヘルメット用のシールを配布し、安全活動の啓蒙を図っています。


安全パトロール

安全パトロール
災害度数率

- ※休業災害度数率(100万時間あたりの休業災害件数)
三菱製鋼㈱、三菱製鋼室蘭特殊鋼㈱、三菱長崎機工㈱の合計でデータを算出しています。
安全担当者会議
グループ会社を含む国内拠点の安全担当者による会議を継続的に開催しており、安全に関する意見を交わし、管理レベルの向上や情報及び問題認識を共有しております。
安全協議会
災害が発生した後には、当該事業部の原因・対策報告に、他事業部と事務局で討論を行い深堀りを行う「安全協議会」を開催し、部署間を超えてコミュニケーションすることで、横展開の強化などを図っています。
各拠点における安全活動の事例
5Sコンクール

職場の自主活動推進と5Sを基軸とした基本事項の定着化を図るため、定期的に実施しています。
フォークリフトコンクール

フォークリフト運転作業の技量向上と安全作業の意識向上を目的に毎年実施しています。
KYTコンクール

日頃の業務における危険予知能力の向上を目的として、毎年実施しています。
玉掛コンクール

危険な作業であるとともに技術が求められる玉掛け作業( クレーンで重量物を運搬する作業)の技術向上を目的として、毎年実施しています。
従業員の健康
三菱製鋼グループでは、「多様な人材が活躍できる職場環境をつくり、働きやすく活力に満ちた明るい企業集団をめざします」を企業理念の一つとして掲げ、多様な人材が安心して働き、いきいきとチャレンジができる会社を目指し、その実現に向けて活動しています。
定期健康診断、人間ドックの有所見者やメンタル不調者、病気療養中の従業員に対しては、重症化予防・再発予防に取り組む一方で、健康な人が将来有所見者にならないよう、生活習慣病予防を推進するなど健康リスクを分類し、施策を進めていきます。
健康経営宣言
当社は、「人を活かす経営」を経営理念に掲げ、多様な人材が活躍できるとともに働きやすく活力に満ちた職場環境づくりに努めています。
今後も健康確保のための環境整備を三菱製鋼健康保険組合と連携して行い、従業員の健康の保持増進に向けた活動を推進します。
健康経営方針
- 1疾病の予防と早期発見・早期治療
疾病予防に努めるとともに、健康診断の結果、要再検査/要治療となった従業員への受診勧奨・フォローを行うことで早期治療を促し重症化を防ぎます。
- 2感染症予防
衛生管理を徹底し、従業員の感染症予防に取り組みます。
- 3メンタルヘルス対策
ストレスチェックを通じてメンタルヘルスへの適切な対応を行い、良好な職場環境づくりを推進します。
- 4健康増進策
食生活の改善や運動機会の提供等、健康増進策に取り組みます。
推進体制

人権尊重の取り組み
当社は、「三菱製鋼グループ行動規範」で「三菱製鋼グループは、人権・人格・個性と多様性を尊重し差別を行ってはならない。また、三菱製鋼グループは、従業員を尊重し安全で働きやすい職場環境を確保するとともに、企業活力の維持・向上を図らなければならない。」と定め、人権を尊重し、個人の能力が最大限に発揮できる職場環境づくりを進めています。
企業に求められている人権尊重の対応については、政府が制定した「ビジネスと人権に関する行動計画」で提示されている手続きに従って進めております。

人権方針の制定

当社グループは経営理念に「人を活かす経営」を掲げており、人権の尊重が事業活動の基本であるという考えのもと2022年度に三菱製鋼グループ人権方針を制定いたしました。同方針は、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき作成しております。人権に関する最上位の方針として、企業活動全体を通じて人権を尊重する責任を果たしてまいります。本方針では、「3. 人権尊重の責任」において社会に果たすべき責任として次の項目を掲げています。
人権デューデリジェンス
2022年度に国内、2023年度に海外の子会社を対象とした人権デュー・ディリジェンスを実施しました。その結果、国内外とも重大な違反がないことを確認しました。その他リスクの一部には、一部子会社における設備の不備や、海外の慣習に起因する採用前の各種個人情報の確認手続き等がありました。引き続きモニタリングを継続するとともに、2024年度以降はお取引先様を対象とする調査を進める予定です。なお、お取引先様向けには、2019年度以降、CSRアンケートという形で児童労働・強制労働を含む人権リスクに関する実態確認を実施しておりますが、その結果において重大な違反がないことを確認しています。
救済メカニズム
苦情処理に関しては、内部通報制度、ハラスメント窓口などを設置しておりますが、人権に関する問い合わせ窓口との棲み分けを明確にして、2024年度引き続き検討してまいります。
2023年度以降の人権に関する取り組みロードマップ

人権尊重に向けた取り組み
資材調達方針・CSR調達の推進
当社の調達活動について、「三菱製鋼グループ資材基本方針」と「CSR調達の推進」を制定しており、あらゆる差別・児童労働並びに強制労働の禁止、労働環境の整備、安全衛生への配慮を推進することを掲げ取り組むとともに、お取引先様各社への理解・協力を要請しています。
ハラスメント調査および教育
2023年度、コンプライアンス遵守状況についてランダムに従業員200名超からヒアリングを実施した結果、ハラスメントと疑われる事案が発生したため、全従業員ハラスメント教育を実施しました。従業員の声を反映し身近に起きそうなハラスメント事例を盛り込んだ教育内容を展開しました。
ビジネスと人権に関する社内浸透策
従前より新入社員研修等で人権研修を実施してまいりましたが、2022年度から人権研修をグループ企業全従業員で受講している中、企業が人権尊重に取り組む目的の理解促進を図る必要性があると判断されたため、「ビジネスと人権」をテーマとした研修を展開し、グループ会社合計約1,300名が受講(87.5%の受講率)し、5段階で4.03の平均理解度が確認されました。
国際ベンチマークと当社事業に関わる人権課題
特殊鋼素材メーカーでもあり、自動車部品を含む加工品メーカーでもある当社は、国際的な人権ベンチマークCHRB(企業人権ベンチマーク)が評価対象とする5業種のうち「資源採掘」「自動車」に該当します。それぞれについてリスクの高い人権課題(児童労働・強制労働など)を特に意識して人権デュー・ディリジェンスを通じた取り組みを進めてまいります。
人権推進体制
